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国立がん研究センター 東病院
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SCRUM-Japan メッセージ

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“一人ひとりの患者さんに、
より良い治療を受けていただくために”

SCRUM-Japan事業代表者
国立がん研究センター東病院長
大津 敦

SCRUM-Japanの目的

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SCRUM-Japanは、2013年に東病院の呼吸器内科の後藤先生たちが立ち上げた、肺がんの遺伝子変化を調べるLC-SCRUM-Asia(旧:LC-SCRUM-Japan)と、2014年に消化管内科の吉野先生たちが立ち上げた、消化器がんの遺伝子変化を調べるMONSTAR-SCREEN(旧:GI-SCREEN-Japan)を統合したプロジェクトです。本プロジェクトでは、患者さんにより良い治療を受けていただくために、遺伝子パネル検査を実施し、がんの遺伝子変化に基づく、最適な治療薬を届けることを目指しています。

SCRUM-Japanの特徴

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遺伝子パネル検査とは、がんの複数の遺伝子変化を同時に調べる検査です。がんの原因となる遺伝子変化の中には、患者さん全体で1%程度の稀なものもありますが、こうした遺伝子変化を一つひとつ順番に調べると検査間は延長し、がんの原因となる遺伝子変化を同定するのが遅れ、患者さんに有効な治療薬を届けられる可能性は低くなります。そこで、SCRUM-Japanでは、1回の検査で100以上の遺伝子変化を調べる最新の遺伝子パネル検査を導入しました。

これにより、患者さんにいち早く最適な治療薬を届けることが可能になりました。また、本プロジェクトは、アカデミアと製薬企業が協力する産学連携プロジェクトであり、患者さんは通常の保険診療で負担する費用の範囲内で、世界で最も品質が高い遺伝子検査を受け、最適な治療薬や新薬の治験に参加する機会を得ることができます。

SCRUM-Japanのこれまでの成果と課題克服のために

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SCRUM-Japan全体では、開始から4年間で1万例以上の患者さんが参加し、企業の治験や医師主導治験に登録された患者さんも多数いらっしゃいます。また、5つの新薬の承認に貢献し、これまで有効な治療法がなかった患者さんが保険適用下で新しい治療を受けられるようになりました。

一方で、治験に登録できた患者さんの数はまだ十分とは言えず、参加した患者さんのうち、有効な治療薬がある遺伝子変化が見つかった患者さんは約20%、その中でも実際に治験に登録できた患者さんは2割程度でした。治験に参加できた患者さんが少ない理由の1つとして、検査に必要な検体を採取してから、遺伝子検査の結果が判明するまでの時間が長いことが考えられました。そこで、現在は、検体採取から検査結果が判明するまでの期間が短い新しい検査技術を導入し、その有用性も検討しています。既に本技術の導入により治験に参加できる患者さんは増えていると実感していますから、有効な治療法がないと言われた患者さんにも諦めずに、本プロジェクトの参加施設の窓口や医師にご相談いただきたいと思います。

SCRUM-Japanの今後
─プロジェクトを進化させ、患者さんに最適な治療の機会を提供したい

近年、がん治療では、新しい作用機序の治療薬が登場し、今後はがんの遺伝子変化を調べるだけでなく、免疫細胞や腸内細菌の状況など、患者さんのさまざまな情報を統合的に解釈し、どの治療が最適かを検討することが重要になると予想されます。そこで、SCRUM-Japanでは、腸内細菌叢(そう)の解析など、新たな研究を開始しました(MONSTAR-SCREEN)。また、2019年今年の3月からは、アジアにおける新薬の開発や個別化医療を推進するために、がんの遺伝変化のスクリーニング基盤を日本だけでなく、アジアに拡大しました(LC-SCRUM-Asia)。SCRUM-Japanでは、一人ひとりの患者さんに最適な治療の機会を提供するため、また将来より良い治療を受けてもらうために、今後も精力的にプロジェクトを進めていきたいと考えています。